金融機関の相続手続きがわからない?預貯金の名義変更を司法書士が詳しく解説
よく知られていることですが、被相続人名義の預貯金は、金融機関が被相続人の死亡を確認した時点から、預金口座が凍結されます。
これは、一部の相続人が許可なく預金を引き出したりすることを防止するためです。金融機関の相続手続きは、亡くなった方の財産を相続人が適切に引き継ぐための重要な手続きです。以下に、金融機関の相続手続きの流れと注意点を詳述します。
当事務所では銀行口座の相続手続きの代行を承っております。
各金融機関への提出書類の作成はもちろん、面倒な戸籍収集や遺産分割協議書の作成までトータルでサポートいたしますので、詳しくはこちらから>>
金融機関での相続手続き
必要書類の準備
金融機関で相続手続きを行うためには、以下の書類が一般的に必要となります。
①被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
②相続人全員の戸籍謄本
③相続人の印鑑証明
④遺産分割協議書または遺言書
⑤各金融機関が指定する相続手続き依頼書
銀行口座の凍結解除
被相続人の口座は金融機関が死亡の事実を知った時点で凍結されます。相続人が口座の凍結を解除するためには、必要書類を提出し、金融機関の指示に従って手続きを進めます。手続きが完了すると、預金の払い戻しや口座の解約が可能になります。
預貯金の払い戻し
金融機関は相続人からの請求に基づき、預貯金を払い戻します。相続人全員の同意が必要であるため、遺産分割協議書を提出する必要があります。また、相続人が複数いる場合は、各相続人に対して適正に分配されるよう、金融機関が手続きを進めます。
有価証券の名義変更
被相続人が所有していた有価証券の名義を変更する手続きも必要です。証券会社に対して必要書類を提出し、名義変更の手続きを行います。これには時間がかかる場合があるため、早めに手続きを開始することが推奨されます。
注意点とポイント
税務手続き
相続には相続税がかかる場合があります。相続税の申告と納付は、被相続人の死亡から10か月以内に行う必要があります。財産の評価額や控除の適用など、専門的な知識が必要なため、税理士に相談することが望ましいです。
負債の相続
被相続人の負債も相続の対象となります。負債の状況を把握し、必要に応じて相続放棄の手続きを行うことが重要です。相続放棄は、被相続人の死亡を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申立てる必要があります。
専門家の利用
相続手続きは煩雑で時間がかかるため、司法書士などの専門家のサポートを受けることが有益です。専門家のアドバイスにより、スムーズに手続きを進めることができます。
その他の金融機関で一般的に必要な書類
遺産分割協議前の場合
遺産分割前の場合には、以下の書類を金融機関に提出することになります。
・金融機関所定の払い戻し請求書
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
・各相続人の現在の戸籍謄本
・被相続人の預金通帳と届出印
遺産分割協議後の場合
遺産分割をどのように済ませたかにより、手続きは異なりますので事前にしっかりおさえておきましょう。
1)遺産分割協議に基づく場合以下の書類を金融機関に提出することになります。
・金融機関所定の払い戻し請求書
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
・各相続人の現在の戸籍謄本
・被相続人の預金通帳と届出印、キャッシュカード
・遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印)
2)調停・審判に基づく場合以下の書類を金融機関に提出することになります。
・金融機関所定の払い戻し請求書
・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本(いずれも家庭裁判所で発行を受けることができます)
・預金を相続した人の戸籍謄本と印鑑証明書
・被相続人の預金通帳と届出印、キャッシュカード
3)遺言書に基づく場合以下の書類を金融機関に提出することになります。
・金融機関所定の払い戻し請求書
・遺言書
・被相続人の除籍謄本
・遺言によって財産をもらう人の印鑑証明書
・被相続人の預金通帳と届出印、キャッシュカード
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この記事の執筆者
- 司法書士カインド法務事務所 代表司法書士 山下 雄平
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保有資格 司法書士(高知県司法書士会 登録第325号) 専門分野 遺産整理、遺言執行、相続放棄、不動産登記、法人登記 経歴 平成24年に高知県で司法書士事務所を開業し、地域密着の司法書士として、年間300件以上のご相談に親身に対応させていただいています。
複雑な相続手続きのサポート実績も多数ございますので、相続について少しでもご不安やお困り事がございましたらお気軽にご相談いただければと思います。
地域の皆様に信頼される司法書士として、これからも全力でサポートさせていただきます。
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