相続財産清算人とは?重要性と役割を司法書士が詳しく解説!
相続財産清算人の重要性
相続財産清算人とは?
相続財産清算人(相続財産管理人)とは、相続人がいない相続財産(遺産)を、適切に管理し、清算して、最終的に国庫へ帰属させる役割を担う人のことです。
相続人がいない相続財産の国庫への帰属は、債権者や受遺者(遺贈を受け取る人)への弁済を経た後に行われます(民法第959条)。しかし、相続財産を管理する人がいない状態では、国庫へ帰属させることはできません。
なぜ相続財産清算人が必要なのか?
亡くなった方(被相続人)が独身で、子どもや親兄弟がおらず法定相続人に該当する人がいない場合や、法定相続人がいても全員が相続放棄をするような場合は、相続財産(遺産)を管理する人がいないことになります。
財産管理を行う相続人がいないと、被相続人が債務を負っている場合は返済が滞ってしまったり、不動産を所有している場合は管理が行き届かないなどのトラブルになる可能性があります。被相続人の相続財産を適切に管理し、清算するために必要となるのが「相続財産清算人」です。
相続財産清算人選任のポイント
相続財産清算人は家庭裁判所によって選任されます。家庭裁判所に相続財産清算人(相続財産管理人)の選任を請求するためには、要件を満たさなければなりません。
具体的には、以下の2つの要件を満たすことが必要です。
①利害関係人であること
被相続人に対して債権がある、相続財産を管理している等、相続財産清算人(相続財産管理人)を選任して清算手続きを行ってもらうための法律上の利害関係が必要です。
② 相続人の有無が明らかでないこと
相続人がいることがわかった場合には、相続財産清算人(相続財産管理人)を選任する必要はないからです。
相続財産清算人の役割
相続財産清算人の役割は相続財産や相続人を調査し、債権者や受遺者に支払いをし、清算を行うことです。そのため、相続財産清算人の権限として認められている行為は保存行為に限られます。
保存行為
保存行為の具体例は次の通りです。
・不動産の相続登記
・倒壊の恐れのある建物の修繕
処分行為
処分行為とは、相続財産の形を変える行為のことを指します。
具体的には、不動産の売却、株式の売却、定期預金の満期前の解約、家具家電の処分などが該当します。
このような財産の形を変える行為、すなわち「処分行為」については家庭裁判所の許可が必要となり、清算人の好きなように財産を扱うことはできません。
したがって、亡くなった人のために購入する墓地や永代供養費の支出も、家庭裁判所の許可が必要です。
家庭裁判所が金額や内容を特定して、許可を出します。
仮に相続財産清算人が家庭裁判所の許可を受けずに処分行為を行うと、権利のない代理行為となります。
家庭裁判所の許可なしに処分行為を行うと、取引相手が不測の損害を被り、また、相続財産清算人自体が法的責任を問われることもあるので、注意しましょう。
相続財産清算人が必要なケースとは
被相続人の債権者が債権を回収したい場合
被相続人の債権者が債権を回収したい場合、相続人がいれば、相続人に請求できます。しかし、相続人がいない場合には、請求する相手が誰もいません。
そこで、債権者が相続財産清算人の選任を申し立てる必要があります。
相続放棄をした人が相続財産の管理を任せたい場合
相続放棄をした人は、相続放棄をしたときに占有していた相続財産がある場合には、相続放棄の後も引き続き管理する責任を負います。
しかし、引き取り手のいない財産を管理し続けることは負担ですし、空き家のように残しておくよりも処分した方がよい財産もあります。
このような場合には、相続財産の管理や処分する権限のある相続財産清算人を申し立てることで、相続財産の管理や処分を任せられます。
特別縁故者が相続財産を受け取りたい場合
特別縁故者とは、誰も相続人がいない場合に、特別に相続財産を引き継ぐ権利が発生した人のことです。たとえば、被相続人と法律上結婚していないが、事実上夫婦と同じように一緒に生活していた人や、法律上養子縁組の手続きはしていないが、事実上の養子関係にある人などが、特別縁故者にあたる場合があります。
特別縁故者として相続財産を受け取るには、まず相続財産清算人の選任を申し立てて、相続財産清算人が相続人を捜索するための公告期間が終了したあと3か月以内に、特別縁故者としての相続財産分与の審判を家庭裁判所に申し立てる必要があります。
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この記事の執筆者
- 司法書士カインド法務事務所 代表司法書士 山下 雄平
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保有資格 司法書士(高知県司法書士会 登録第325号) 専門分野 遺産整理、遺言執行、相続放棄、不動産登記、法人登記 経歴 平成24年に高知県で司法書士事務所を開業し、地域密着の司法書士として、年間300件以上のご相談に親身に対応させていただいています。
複雑な相続手続きのサポート実績も多数ございますので、相続について少しでもご不安やお困り事がございましたらお気軽にご相談いただければと思います。
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